任意売却を利用して自己破産の納付額を節約したHさんの場合

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Hさんは、30代の頃に、20年ローンで土地付き一戸建てを購入し、奥さんと2人の子どもと共に幸せな家庭生活を送っていました。
また、当時のHさんの収入は十分にあり、住宅ローンを支払いつつ、奥さんが専業主婦をしていても生活をしていくことができていました。

しかし、ある時からHさんは株式投資にのめり込むようになり、多数の消費者金融から多額の借金をするようになったのです。
いずれ取り返せると借金を重ね、気付けば500万円近い借金になってしまいました。
住宅ローンの返済に加え、消費者金融への返済、毎月の生活費を考えると、Hさんの収入だけではとても賄いきれません。

そこで、奥さんもパートに出ることにしたのですが、それでも返済が間に合いそうにありませんでした。
というのも、この頃のHさんの会社は、経営不振からボーナスがカットされるようになってしまい、住宅ローンのボーナス払いを考えると、奥さんのパート収入があったとしても、経済的には完全に破たんしている状態だったのです。

そこで、Hさんは専門家に相談をすることにし、話し合いの結果、自己破産をする決意を固めました。
Hさんの場合、自己破産をするとなると、自宅を失ってしまうことになります。
せっかく購入した自宅ではありますが、自己破産をするのであれば手元に残しておくことはできません。

自己破産と任意売却の併用という手も

なお、自己破産の手続きにおいて、換価すべき財産がある場合、通常は「破産管財人」が選任され、財産の換価、そして債権者への配当を行うのですが、破産管財人が選任されると、自己破産の申立に際して20万円以上の費用がかかってしまうのです。

この費用を節約するため、自宅を破産手続きによって処理するのではなく、任意売却にて売りに出すことにしました。
こうすることによって、たとえ売却代金にて住宅ローンを完済することができなかったとしても、換価すべき財産がなくなるため、破産管財人が選任されることがありません。
つまり、20万円以上かかってしまう自己破産の申し立て費用を節約することができるのです。

さらに、任意売却時の交渉次第では、売買代金の中から引っ越し費用を出してもらえることもあります。
Hさんの時も、無事に引っ越し費用を出してもらうことに成功しました。

このように、自宅がある場合の自己破産は、任意売却手続きと併用することによって、申立費用を節約することが可能になることもあるのです。
ただし、この方法は自宅以外に目立った財産がない場合にしか利用することができないため過度の期待は禁物です。

0214020005ちょっと待って?ふとした疑問もここで解決

ここまで読んでいただいた方、ある1つの疑問が思い浮かんでいるのではないでしょうか?
上記のことから、破産管財人が選任されると20万円以上の費用がかかることがわかりました。

では、破産管財人の選任が必要と裁判所が判断するのはどういった場合なのでしょうか?
以下にて詳しくご説明していきます。

破産管財人の職務

破産管財人の選任が必要と裁判所が判断するのは、主に以下の2つの点がある場合です。

1.財産調査が必要な場合

破産者の財産について調査が必要な場合は、破産管財人が選任されます。
たとえば、裁判所へ提出した申立書の内容が不明瞭で、「本当は他にも財産があるのではないか?」といった疑問を裁判所に抱かせてしまった場合、破産者の財産を調査する目的で破産管財人が選任されます。
とはいえ、こちらは自己破産の申立書を専門家が作成していれば、まず問題になることはありません。
問題となるのは、個人で申立書を作成していた場合です。

2.換価・配当すべき財産がある場合

破産者に時価で20万円以上の財産がある場合、債権者に対し按分弁済されることになっています。
按分弁済とは、債権者が持つ債権額に応じて、各債権者に比例した割合で配当することを言います。

また、配当は原則、現金で行われるのですが、中には現金ではない財産も存在します。たとえば、不動産を所有しているとなれば、破産管財人がその不動産を現金に換えて(これを換価といいます)から、各債権者に配当するというわけです。

つまり、この2つに該当していなければ、まず破産管財人が選任されることはありません。
費用をかけずに自己破産するためには、事前に任意売却を利用し、不動産を無くしてしまうのも1つの手というわけです。

ys

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