貸金業者に裁判を提起されたIさんの場合

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Iさんは、大学卒業後、中小企業の会社員として働きはじめ、親もとから独立するために一人暮らしを始めました。

最初は慣れない一人暮らしに苦戦をしていたのですが、会社の近くに暮らしはじめたことから出勤時間はかなり短縮され、家事にも多くの時間を割けるようになっていました。
また、以前まで会社への通勤に往復で4時間近くもかかっていたため、仕事が終わるとすぐに帰宅をしていたのですが、引っ越しをしたことによって仕事後に飲みに行くなど、同僚や上司、後輩との交流も盛んにできるようになったのです。

しかし、交流が盛んになるということは、それだけ出費も増えるということ。
Iさんは引っ越し前と比べると、倍以上に交際費にお金がかかるようになってしまいました。

単に、仕事後の付き合いを断れば済むと言ってしまえばそれまでなのですが、会社の付き合いはどうしても断れないという考えを強く持っていたIさんは、20代後半から、30代前半までの数年間で、400万近い借金を抱えることになってしまったのです。

遅延損害金を請求される事態へ

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その後、Iさんは仕事への苦痛から会社は退職し、貸金業者への支払いも滞納するようになっていきました。
そして、気付けば半年以上もの期間、借金を滞納してしまったのです。

すると、Iさんのもとに、裁判所からの通知が届きました。そこには「訴状」と書かれていて、返済を滞納したことによる遅延損害金が付された金額を請求されてしまったのです。
これに驚いたIさんは、すぐに専門家のもとへ相談にいきました。

自己破産が適正と判断

Iさんの現状を聞いてみたところ、現在は精神科の病院にかかりながら実家で療養中とのことでした。
このままではとても返済など継続できるはずがありません。
よって、自己破産が適正と判断し、手続きを進めていくことにしました。

貸金業者から届いた訴状というのは、放っておけば判決が出てしまうことになります。
判決が出た段階では特になにか問題が生じることはありませんが、その後も放っておくと強制執行手続きに移られてしまう危険性があるため、このまま何もしないわけにはいきません。

なお、貸金業者というのは、専門家が自己破産に介入することによって、その多くは裁判を取り下げてくれることがほとんどです。どうせ自己破産されるとわかっているのであれば、判決まで取るようなことは時効が近づいてでもいない限りはしません。

そこで、貸金業者に対して受任通知を送付後、交渉によって裁判を取り下げてもらうことになりました。
今後、Iさんと協力しながら自己破産の申し立てをしていく予定です。

0214020005ちょっと待って?ふとした疑問もここで解決

ここまで読んでいただいた方、1つの疑問が思い浮かんでいるのではないでしょうか?

そもそも、精神病は自己破産の理由になるのだろうか?
確かに収入はない状態なのかもしれませんが、精神病はいずれ治る可能性が十分にある病気です。

であれば、回復するまで待って、それから返済してもらいたいと考える貸金業者がいてもおかしくはありません。一時的な精神病を理由に、自己破産などできるものなのでしょうか?

結論から言えば、自己破産は可能です。

なぜかというと、自己破産の申立要件の中に「支払い不能状態にあること」というものがあり、こちらに続いて、「将来的に返済できる見込みがあるものは除く」、とでも記載があれば、今回の場合は自己破産できないことになります。

自己破産は将来的な見込みを考慮しない

しかし、自己破産を定める「破産法」にそのような条文は記載されていません。

つまり、自己破産は将来的な見込みを考慮して行う手続きではないということ。
これを考慮しなければならないのであれば、ほとんどの方が将来的に収入を得る見込み、返済を継続できる見込みがあるといっても過言ではありません。

しかし、それらをすべて自己破産の対象外としてしまえば、自己破産本来の目的である「多重債務者の救済」を果たすことができなくなってしまいます。

見込みがある以上、多重債務からは救済されないとなっては本末転倒なのです。

こうした理由から、今まさに精神病をはじめとする病気や、その他、収入を得ることができない事情があるといった方は、自己破産によって借金の免除が認められるというわけです。

 

ys

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