個人事業を出来る限り頑張ったGさんの場合

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Gさんは、個人事業主として長年、整体業を行っていました。支店があるわけでも、大規模な店舗があるわけでもありませんが、小さな商店街にて自分のお店を構え、長年連れ添った常連さんを相手にしながら生計を立てていました。
しかし、近年は非常に安いマッサージ店が増えたこと、また、商店街自体も衰退していったことから、多くのお店が閉店へと追い込まれていったのです。

Gさんは商店街を盛り上げようと、商店街の仲間たちと協力し、様々な策を講じてきたのですが、それも思うようにうまくはいきません。
そして、人通りのほとんどなくなった商店街は、1店、また1店と閉店を余儀なくされ、シャッター通りと化した商店街に活気が戻ることはありませんでした。

Gさんのお店はお客さんが入ってくれないことから、少ない月は収入が6万円代になってしまうこともあり、生活費の不足分はすべて消費者金融からの借入で賄っていたのです。

これ以上の赤字経営では、とても生活が成り立たないと感じつつも、ここで自分が頑張らなければ商店街の活性化が遠のいてしまうと、努力を積み重ねてきました。
しかし、Gさんは持病の悪化からお店に出ることもできなくなり、さらには、返済ができないために滞納が嵩み、消費者金融からは毎日のように催促が来るようになってしまったのです。
Gさんは、これ以上は頑張れないと感じたため、専門家に相談をしに行くことにしました。

自己破産を前提とした生活保護の受給

Gさんの場合、経済的に破綻しているだけでなく、持病の悪化によりアルバイトもまともにできず、生活自体もままならなかったため、自己破産だけでなく生活保護費の受給も勧めました。
当初、Gさんは自己破産にも生活保護に抵抗があるようでしたが、どちらも悪質な行為ではなく、あくまでも法律に則った手続きであることを説明し、なんとか納得してもらっています。

生活保護費を受給するためには、原則として借金をすべて整理していなければなりません。
しかし、今回の場合、Gさんは金銭的余裕がなく、すぐにでも生活保護費の受給が必要であったため、弁護士の介入と自己破産手続きを前提に、生活保護費の受給ができるように役所側と交渉し、無事に生活保護費が受給できるようになりました。

その後、自己破産も免責決定が出ることになり、Gさんは平穏な生活を取り戻すことに成功しています。
しかし、Gさんはなんとか生活保護費を受けずに生活ができるようになりたいと、現在は整体のアルバイトをし始めたとのことです。

0214020005ちょっと待って?ふとした疑問もここで解決

ここまで読んでいただいた方、1つの疑問が思い浮かんでいるのではないでしょうか?
上記のことから、自己破産と生活保護には密接な関係があることがわかりました。
しかし、Gさんのように生活保護を受けてから自己破産し、その後、収入を得るようになり生活保護を受けなくなった場合、その収入を返済に充ててほしいと債権者が申し出てきたとしたら?返済はしなければならないのでしょうか?
こちらの答えは、「返済する必要はない」となります。
それでは以下にて、さらに詳しく見ていきましょう。

免責決定で法的な支払い義務がなくなる

自己破産という手続きは、最終的に裁判所から免責決定を得て、この決定が確定した段階で終了となります。おおまかに申立から3ヶ月程度で免責決定を得られ、確定に代わるのはさらに1ヶ月程度後となっています。そして、免責決定が確定すると破産債権(自己破産の手続き時に計上した借金などのこと)の法的な支払い義務が消失します。
よって、その後、いくら収入が増えたとしても、返済を求められる法的な理由はありません。
たとえば、自己破産後に起業に大成功し、年収1000万円を越えたとしても、免責決定が確定している以上、過去の借金を返済する義務は生じ得ないのです。

自然債務として残るという考え方

ただし、上記は法的な支払い義務はなくなるものの、自然債務といって、任意で返済する分には構わないという考え方もあります。たとえば、貸金業者ではなく個人的な知人などからの貸付けがあった場合、この貸付けだけは返済したいと感じるのはおかしなことではありませんが、特定の債権者にだけ返済する行為を自己破産では「偏頗弁済」といって免責対象から外される行為の1つとしています。返済したいと強く思っていても、手続き上、返済は認められていないのです。

しかし、免責決定が確定した後であれば、自然債務として残っているため、任意で返済する分に問題はありません。

つまり、自己破産後、生活に余裕が出来たとしても過去の返済をする義務はありませんが、自分が返済したいのであればしても構わないということです。

ys

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