多額の税金を滞納しているOさんの場合

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Oさんは、いわゆるサラリーマンとして会社勤めをしてきたのですが、なかなか自分の意見を表に出せないこともあってか、上司から評価されることもなく苦痛な日々を過ごしていました。

大学を卒業してから数年間勤めてきた会社でしたが、Oさんはこれ以上の勤務は限界と感じ、退職することにしたのです。
しかし、とりあえず退職したのはいいものの、なかなか次の職場が決まらず、アルバイトを転々とする生活を送るようになっていきました。

その間、アルバイトだけでは生活費を賄いきることはできず、貸金業者からはじめての借り入れをしました。
そこでOさんは、あまりにも簡単に借り入れができてしまうことに驚き、次第に借り入ればかりに頼って生活をするようになってしまったのです。

その後、気付けば300万円もの借金を抱えてしまったOさんは、少しずつ返済が滞るようになっていきました。

また、貸金業者への返済が滞るだけでなく、住民税や健康保険税といった支払いまで滞るようになってしまい、Oさんのもとには毎日のように催促の電話や、請求書が届くようになってしまったのです。
この結果、Oさんは次第に精神的に追い詰められていくようになり、これ以上どうしたらいいのかわからず、専門家に相談することにしたのです。

自己破産でも税金の支払い義務は免責されない

Oさんの現状を見てみると、貸金業者への滞納だけでなく、税金の支払いも長期間滞っていたため、かなりの滞納額となっていました。
しかし、自己破産では税金の支払い義務までは免責されることはありません。

Oさんは、請求の頻度が高いものから支払いを優先していたため、このような事態になってしまったといえます。

税金を滞納した場合、一切請求がこないというわけではありませんが、貸金業者から請求よりは比較的ゆるやかに請求されることがほとんどです。
こうしたことから、自己破産では免責の対象外とされている税金の支払いをせず、貸金業者への支払いばかり優先させてしまう方がたくさんいらっしゃるのです。

支払をゆっくりにする事で解決へ

しかし、こういった場合であっても、市区町村役場に分納の申請をすることによって、無理のない範囲で税金を納めていくことが可能となります。
Oさんの場合、自己破産することを役場側に伝えたところ、毎月数千円ずつの支払いで様子を見てもらえることになりました。

最終的に、Oさんは無事に免責が認められ、現在、滞納していた税金を増額しながら少しずつ返済しているところです。
このように自己破産をすることによって、貸金業者からの借金だけでなく、本来であれば免責対象外である税金をゆるやかに納付していくことが認められることもあるのです。

0214020005ちょっと待って?ふとした疑問もここで解決

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ここまで読んでいただいた方、1つの疑問が思い浮かんでいるのではないでしょうか?
上記のように、自己破産では税金の支払い義務を免れることはできません。

では、その他にどういった支払いが、たとえ自己破産でも免れることはできないのでしょう?
こうした疑問を解決させるべく、下記にて簡単にまとめてみました。

自己破産でも免れない7つの非免責債権

自己破産の免責対象外の債務(ここでは責任のこと)を、「非免責債権」といいます。

非免責債権は原則、自己破産で支払い義務が免れることはありません。
下記の支払い義務が生じている方は、借金の支払いよりも優先して支払うようにしてください。でなければ、自己破産で借金の支払い義務がなくなっても、生活苦が解消されない危険が生じてしまうのです。

1.税金(公租公課)

すでに触れたように、住民税や国民健康保険税、国民年金などは自己破産でも免責になることはありませんし、滞納分も同様です。よって、可能な限り優先して支払うように心がけましょう。

2.破産者が悪意で加えた賠償責任

悪意とは、法律用語の1つで、「他人を害することを知っていた、積極的に害する意思があった」といった意味があります。
たとえば、過去に自身の浮気が原因と離婚となり、毎月のようn慰謝料を支払っていた場合、自己破産ではこの慰謝料が免責になることはありません。

3.破産者が故意、又は重大な過失で加えた賠償責任

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破産者が故意、又は重大な過失(誤りのこと)によって、人の生命や身体を害する行為によって発生した賠償責任は、自己破産でも免責になることはありません。
わかりやすいところで、自身が交通事故の加害者になった場合、被害者に支払う損害賠償金のことです。

4.雇用関係に基づく使用人への給料(預り金の返還)の支払い

自身が雇い主であった場合、使用人、つまり従業員に対して支払う給料は、免責の対象になることはありません。
つまり、雇用主が自己破産する場合、使用人に対しての給料、又は預り金はすべて返還されなければなりません。

5.夫婦間や子どもに対する支払い

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夫婦が別居中で「婚姻費用」が発生している、子どもと別居中で「養育費」が発生している、といった場合、この2つの支払い義務は自己破産で免責にはありません。

夫婦間では「扶養義務」、子どもには「養育義務」という責任が生じ、これらはすべて非免責債権となっています。

6.破産者が隠匿した債権者への支払い

破産者が自己破産の手続き時、意図して隠していた債権者への支払いがあった場合、免責の効力は及ばないものとされています。ただし、失念していた場合であれば、免責の効力は及ぶとされていますのでご安心ください。
あくまでも「意図して隠匿した」場合のみです。

7.罰金の支払い

刑事罰や行政罰により生じた「罰金」というのは、そもそも本人に対して苦痛を与える意味で発生しています。自己破産では、この苦痛を取り除くことはできないとされています。
たとえば、スピード違反や飲酒運転などによって発生した罰金の支払い義務は、いくら自己破産でも免責にはならないということです。

以上が自己破産の非免責債権です。
極端な話ですが、ここに該当する支払いがある方は、まずはその支払いを優先させ、貸金業者への返済は後回しにしてしまって構いません。
貸金業者への返済は、自己破産をはじめとする債務整理にていくらでも解決させることができるのです。

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