自己破産前に時効の知識をつける

pixta_17738496_S
多額の借金請求に押しつぶされてしまうと、自己破産が頭をよぎってしまいます。
特に、今まで請求が来ていなかった債権者から元金以上に膨れ上がった遅延損害金(返済の遅れを理由に追加される利息)と共に請求されると、これはもう自己破産するしかないと考えるのも当然です。

しかし、こういった場合、実は自己破産しないで済む場合があります。
それは、請求がすでに時効になっている場合です。
自身も忘れるほど期間が経っているにも関わらず、貸金業者からの請求が来た場合、自己破産前に時効援用が可能かどうかを調べてみましょう。
その他にも、請求自体が架空であり、そもそも支払い義務すら生じていないといったケースも存在します。貸金業者からの突然の請求には、下記のような対処で臨むのがもっとも賢明です。

時効援用とは?

まず、時効援用とはどういったものなのでしょう。

よく刑事事件のニュースやテレビドラマなどで、「時効」なんて言葉を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか?
時効とは簡単に言えば、期間経過によって法律の効力が生じなくなることをいい、これは刑事事件だけでなく借金問題をはじめとした民事事件についても同様です。
ただし、民事の場合、単に期間が経過しただけでは時効の効力は生じず、「時効援用」という手続きをして初めて効力が生じます。
時効援用とは債権者(貸金業者のこと)に対して、「時効になったのでもう支払いはしません」といった意思表示を示すことで、通常は内容証明郵便によって行われます。
内容証明郵便とは、郵便局にて作成する郵便物の1つで、いつ誰が誰に対してどんな内容の通知を出したのか?というのを郵便局が証明してくれるというものです。

作成するには文字数の制限や、同一のものを3枚(相手分、郵便局分、自身の控え分)用意し、郵便局の窓口にて手続きをしなければならないといった、様々な制約が課されています。単なる郵便ポストへの投函だけでは内容証明郵便にはならないため注意が必要です。
ここまでして初めて支払い義務から免れることになります。
多少面倒ではありますが、時効援用をしない限り、いつまでも請求を受けてしまう危険があるため、必ず手続きを取りましょう。

最後の取引から5年で時効になる

なお、貸金業者からの借入の場合、最後の取引から「5年」の経過で時効が成立します。

最近では、テレビコマーシャルなどで過払い金の請求は10年間で時効と耳にしますが、これは個人が貸金業者に請求する場合であって、貸金業者が個人に請求する場合は、5年間で時効と定められています。
よって、まずは送られてきた請求書の最後の取引日を確認してみましょう。

すでに時効が成立している5年以上前の取引であっても、貸金業者は平気で請求してきますので、必ず確認する必要があります。
また、時効は10年といった勘違いをしていると、支払いをしてしまうなんてことになりかねないため、正しい知識を身につけておくことが大切です。

また、まっとうな貸金業者からの請求であれば、必ず請求書には最後の取引日が記載されています。
しかし、最後の取引日が記載されていなかった場合、架空請求の線も出てくるので注意です。

突然の請求書がきた際は自己破産を検討する前に、時効成立や架空請求の線を検討しましょう。

なお、最終取引日がいつかわからない場合は、自身で行うこともできなくはありませんが、専門家に調査してもらうことをおすすめします。

貸金業者というのは、契約者に対して取引履歴の開示請求があれば、すぐにそれに応じなければならないと法律で決められています。
よって、最終取引日がわからない場合は、取引履歴の開示請求をすれば良いのですが、個人が相手の場合、貸金業者の対応は非常に遅いケースがほとんどです。
しかし、専門家からの請求であれば、多くは1~2ヶ月程度で開示してきますので、手続きを迅速に進めたい場合は、専門家に相談しましょう。

お年寄りを狙った架空請求に要注意

次に架空請求についても見ていきましょう。
架空請求は、特にお年寄りを狙って送付されてくることが多いのですが、非常に巧妙に貸金業者名をいじり、1文字違いであったり、㈱の位置を変えていたりなど、過去に取引があった貸金業者だと思わせ、消費者の不安を煽ってきます。
おかしいな?と少しでも感じたら、請求先に問い合わせ等をする前に、必ず弁護士といった法律の専門家に相談してください。

もし、問い合わせの際に電話番号を架空請求業者に知られてしまえば、嫌がらせのように電話を受ける危険もあります。
また、よくある携帯電話やパソコンに届くメールでの架空請求が来るのは見慣れていても、書面にて自宅に届くと本当に請求されているのではないか?と感じてしまいがちです。
近年では情報漏えいなんて言葉も取り上げられるほどなので、住所と氏名が架空請求業者に知られているケースも多数存在します。
しかし、架空請求は架空請求でしかありません。
たとえ、自身の住所宛てに書面にて届いたとしても、上記と同様の対処をするようにしてください。

すぐに支払いだけはしてはならない

pixta_19611795_S

なお、架空請求であっても時効が完成していた場合であっても、貸金業者からの多額の請求に焦って、とりあえず数万円でもと支払いをしてしまうのだけは絶対にしてはなりません。
自己破産するのであれば、そもそも支払いせずとも問題はありませんし、他の債務整理手続きを取るにしても、焦って支払いをしなければならない手続きは1つもありません。
特に時効の可能性がある以上、支払いはすべきではありません。
というのも、もしすでに時効が成立しているにも関わらず支払いをしてしまうと、「債務承認」したとみなされてしまうのです。

これは、自身に債務があると認めることを指し、せっかくの時効がリセットされてしまうというものです。これをしてしまうと後からの時効援用が非常に困難になってしまうので、焦って支払いしてしまうことがないように注意しましょう。
また、請求書と併せて電話による連絡がきたとしても、絶対に支払いをしてはダメです。まずは本当に支払う必要があるのかを確認するのが先決です。

専門家に相談しましょう

たとえ時効が成立していたとしても上記で触れたように、「時効援用」の手続きを取らなければ貸金業者からの請求が止むことはありません。
架空請求業者が相手であれば、もう請求がされないように何かしらの対策を取る必要がある場合もあります。

また、もし請求が事実であり、まだ時効期間を経過していないのであれば、自己破産をはじめとする債務整理手続きを検討しなければなりません。
このように、時効援用するにしても、架空請求対策にしても、自己破産するにしても専門知識を持っていなければ対処できないことばかりです。
しかし、借金問題というのはデリケートなので、気軽に周りに相談などできませんし、多額の遅延損害金が付された請求書を見てしまうと、冷静な判断ができなくなってしまう危険があるのです。

上記で触れたように、債務承認は自身にとって有利になることは1つもありませんし、架空請求業者相手に1度支払ったお金を取り戻すのも簡単なことではありません。こういった不利益を避けるため、そして、貸金業者からの突然の請求に対応するためにも、必ず専門家に相談し、必要な対処をしてもらうことをおすすめいたします。

ys

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ