破産管財人の職務とは

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破産手続きが管財事件、少額管財事件として処理されることになると、裁判所は破産管財人を選任します。選任された破産管財人は、最初の職務として、破産者の財産調査を行います。

破産者の保有している財産については、自己破産の申し立て時に、「財産目録」として提出しているはずなので、原則は、この財産目録に基づいて調査が行われることになります。
とはいえ、もちろんその範囲だけに止まらず、他に隠している財産はないか?といった調査も行います。今回は、破産管財人の行う職務についてご説明していきます。

管財事件・少額管財事件とは?

まずは、冒頭にて触れた管財事件・少額管財事件の違いについて理解をしましょう。

自己破産という手続きは、裁判所への申し立て後、「同時廃止事件」として処理されるか、「管財事件・少額管財事件」として処理されるかが決まります。
大まかな区別としては、破産手続きを行う必要があるか否かで、もっともよくある理由としては、申立人の保有財産の中に時価で20万円以上の財産がある場合です。
一定以上の財産があるということは、破産債権者(貸金業者などのこと)に対して、財産を現金化して配当しなければならないのですが、この手続きは裁判所が直接行うわけではありません。破産手続きを進めるために、破産管財人が選任され、裁判所の代わりに手続きを行うことになっているのです。これが「管財事件・少額管財事件」になります。

「同時廃止事件」というのは、破産手続きを行う必要がないため、破産手続き開始決定と同時に破産手続きを廃止(終了)するという意味で、破産管財人が選任されることがありません。

破産者には説明義務が生じてしまう

それでは、以下にて破産管財人が行う職務について具体的に見ていきましょう。

破産管財人は、破産者に対して説明を求める権利と、物件を自由に調査する権利を持っています。
よって、破産者は管財人に必要な説明をする義務を負うことになります。

破産管財人は、上記で触れたような財産の現金化、債権者に対する配当以外にも、申立人の財産に対する調査も行うことになっています。たとえば、冒頭で触れたような申立人が隠匿している財産や、申立書への記載がされていない財産がないか?ほかに債務は存在しないか?といった、申立人の財産にかかわるすべての調査を行っていきます。

そして、破産管財人が調査をしていく中で疑問を感じたり、説明が必要と感じたりすることがあれば、破産者に対して質問しても良いことになっていまうす。
もし、ここで虚偽の発言などがあった場合、3年以上の懲役、300万円以下の罰金といった罰則規定も用意されていますので、破産管財人への対応には気を付けましょう。

なお、自己破産の申し立てに弁護士が就いている場合、原則は破産管財人も弁護士を通す必要があるため、直接的に連絡を取られることはほとんどありません。説明が必要な場面であっても、弁護士を通すことができるため、うかつな発言をせずに済むという安心感があります。

郵便物がすべて管財人に転送される

破産者の財産を調査する上で、郵便物は欠かせないものとなっています。たとえば、生命保険会社からの通知、株主優待券の送付など、財産に関わる連絡のほとんどは、郵便によって行われるため、破産管財人の調査のため郵便物はいったん転送されることになります。
裁判官や破産管財人の判断によっては、転送までされないこともあるようですが、ほとんどの場合で破産管財人に対して転送されることになっているので注意が必要です。

もちろん破産管財人の閲覧後は自身の手元に送られることになっているため、勝手に処分されてしまう心配はありません。急ぎで必要な書類が郵送されるような場合は、事前に破産管財人や担当弁護士に伝えておき、中身をチェック次第、送り返してほしい旨を告げておきましょう。

債権者集会が開かれる

破産管財人の職務の1つに、債権者に対する破産手続きの状況説明といったものもあります。
状況説明を行う場のことを、「債権者集会」といい、この場には原則として破産者の出席が求められることになります。
債権者に関しては自由参加とされていて、多くの貸金業者は債権者集会に足を運ぶことはありませんが、個人債権者がいた場合は、債権者集会にて顔を合わせることになるかもしれません。また、債権者集会を開くかについては破産管財人の判断に任されているのですが、ほとんどの管財人が最低でも1度は債権者集会を開いています。

債権者集会の場では、手続きの進捗状況や、配当の見込みなど、破産管財人の行う破産手続きがどのようになっているかの報告を中心に進められていきます。

企業破産などの大きな管財事件の場合、手続きの長期化が原因で債権者集会が何度も開かれることもありますが、一般的に個人破産による少額管財事件の場合、手続きが長引いたとしても1年以内に終わることがほとんどとなっているため、債権者集会が何度も開かれることはありません。なお、手続きの関係上、平日昼間の時間帯に行われるため、仕事をしている方の場合、わざわざ休暇を取らなければならないという点に注意しましょう。

破産手続きが長期化してしまうことも
最終的に、管財人は調査した破産者の財産を債権者に報告し、その財産を現金に換価、債権者に按分弁済(均等になるように返済)することによって業務を終了します。
上記でも触れたように、この間おおよそ半年~1年程度とされていますが、問題点が多い自己破産の場合は1年以上になってしまうこともあります。
しかし、破産手続きが長期化しても良いことは一つもありません。
手続きを早く終わらせるためにも、破産管財人には積極的に協力をするようにしましょう。

破産手続きが長期化すると・・・?

では、破産手続きが長期化するとどのような負担を強いられることになるのでしょうか?
自己破産のデメリットとして、資格や職業が制限されるだけでなく、遠距離・長期間の旅行、引っ越しには裁判所の許可が必要というものがあります。これらは、自己破産の手続きがすべて終了すれば解除されることになっていますが、破産手続きが長期化するということは、こうした制限を受ける期間が延びてしまうということ。郵便物をチェックする期間も伸びてしまうかもしれません。
自己破産という手続きは、免責決定が出るまでの期間、どうしてもネガティブになってしまいがちです。特に、過剰なギャンブルやショッピングといった免責不許可に該当する事由がある場合、本当に免責決定は出るのか?出ないのではないか?といった不安に苛まれてしまいます。

不安があればその都度、弁護士に相談を

上記のことから、破産手続きの長期化は、精神的不安定な期間の長期化にもつながります。

とはいえ、いくら破産管財人の調査に積極的に協力していても、時間がかかってしまうこともありますし、破産管財人も当該破産事件以外の仕事も抱えていますし、財産換価が難しいなどの理由で、長期化が避けられない場合もあります。

こういった場合、不安なことがあればその都度、担当している弁護士に相談することをお勧めします。

あまりネガティブに考えていても、精神衛生上よくありません。しかし、弁護士であれば自己破産への不安を取り除けるだけの知識も経験もあるため、気軽に相談をしてみましょう。
快く不安を取り除いてくれるはずです。

 

 

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