免責決定が出ないとどうなる?

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自己破産の申立をする方の多くは、免責決定が出るまでは不安を抱えるのは当然です。
いきなり借金の支払い義務がすべてなくなります!と言われても、半信半疑という方も多いのではないでしょうか?
しかし、現在の自己破産の手続きで免責決定が出ないという方はほとんどいらっしゃいません。
本当に借金の支払い義務がすべてなくなることになります。

借金を作ってしまった理由がたとえ、ギャンブルやFXといった浪費行為が原因で多重債務に陥ってしまった方であっても、実務上はほとんどの場合で免責決定が出ています。
つまり、ほとんどの場合で心配する必要はないのですが、今回は免責決定が出なかったらどうなってしまうのか?に焦点を当てて、簡単なお話をさせていただきます。

異議申し立てをする権利がある

裁判所が出した決定というのは、決定が出た時点で確定するわけではありません。
すべての裁判所が必ずしも正しい決定を出すとは限らない(他の裁判所であれば違った決定が出ていたかもしれない)ため、2週間という期間を定めて異議申し立てをすることが可能となっています。
これを「即時抗告」といいます。

もし、裁判所が出した免責不許可の決定に納得いかなければ、即時抗告を申立てましょう。この申立がされると、再度の審理が必要かどうかを高等裁判所が判断します。ここで異議が認められると、免責不許可の決定は覆り、再度の審理がなされるのです。

もし、裁判所に到底納得できないような理由で免責不許可とされてしまった場合は、即時抗告という選択肢があることを覚えておきましょう。
ただし高度な専門知識が必要になってしまうため、即時抗告をする際は、必ず専門家に依頼するようにしてください。

債権者から異議申し立てされるケースも

なお、異議申し立てをできるのは自分だけではありません。
債権者側(貸金業者のこと)も、裁判所の出す決定に異議申し立てを出すことが認められているのです。

債権者は破産手続き開始決定と、免責決定に対して異議申し立てが認められています。
破産手続き開始決定とは、自己破産の申立後、最初に裁判所が出す決定で、この決定が出されないと自己破産の手続きが進むことはありません。
次に免責決定ですが、こちらは自己破産の最終目標といえる決定で、免責決定が出ない限り、借金の免除が認められることはありません。
この2つの決定に対して、債権者は異議申し立てが可能となっています。
とはいえ、大手の貸金業者が自己破産の手続きにわざわざ異議申し立てをしてくることはありません。
多くの場合で異議申し立てが認められないことを貸金業者側もわかっているのです。
よって、債権者からの異議申し立てがあるとしたら、貸金業者ではない個人からの借入がある場合です。

手続きが多少遅れてしまいますが、たとえ個人債権者からの異議申し立てであっても、認められる可能性が低いことには変わりないのでご安心ください。
では、もし異議申し立てが認められた場合はどうなってしまうのでしょう?
この場合、対象となった債務は破産手続きから除外されることになり、最終的に免責決定が出たとしても、借金の支払い義務はなくなりません。とはいえ、現実に支払う資力がないのであれば、相手側も差し押さえることもできず、回収は困難と言わざるを得ないため、わざわざ異議申し立てまでしてくる個人債権者もほとんどいないと言えるでしょう。

異議申し立ては覆らない可能性が強い

とはいえ、自己破産の異議申し立ては覆らない可能性のほうが強くなっています。
これは、債権者側からの異議申し立てだけでなく、自己破産の申立人からの異議申し立ても同様です。

しかし、心配することはありません。
そもそも自己破産は支払い不能状態であることが認められれば、ほとんどで免責決定が出されていますので、よほどのことがなければ免責決定が出ないなんてことはありません。たとえば、自己破産の中で詐欺破産罪という刑事罰の対象にもなる犯罪行為があった場合などでもなければ、まず間違いなく免責決定が出されることになっています。

過剰なギャンブルやショッピングといった浪費行為は免責不許可事由と呼ばれ、免責決定が出ない場合もあるとの記載をよく見かけますが、この程度のことで免責決定が出ないようなことはありません。裁判所にて誠実に手続きを取り、裁判官の前で反省した態度を見てもらうことが出来れば、免責決定が出ないなんてことはほとんどあり得ないのです。
よって、免責決定が出ないケースを想定する必要はほとんどないのですが、それでも不安に感じる方はたくさんいらっしゃいます。
それだけ自己破産はマイナスイメージが強い手続きなのです。
そこで、すべての不安を解消する意味でも、必要な解決策について以下にて見ていきましょう。

別の債務整理手続きを利用する

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借金問題の解決方法というのは、なにも自己破産だけではありません。裁判所が自己破産を認めないというのであれば、別の債務整理手続きにて解決するのが良いでしょう。
債務整理手続きには自己破産の他に、借金の一部を免除してもらい支払い負担を減らす「個人再生」や、各債権者との交渉によって長期分割や無理のない範囲での返済金額を決めていく「任意整理」といった手続きがあります。

通常、上記の手続きがいずれも不可能であるため、自己破産へと至っているケースがほとんどなのですが、裁判所が自己破産までは必要ないと判断した場合は、個人再生や任意整理による解決が適正であると言い換えることができます。自己破産は尚早だったということです。
そもそも自己破産を利用するためには、支払い不能状態である必要があるのですが、この判断が甘かったと裁判所に判断されてしまうと破産手続き自体が認められない場合もあります。

免責決定が出ないというよりは、破産手続き自体が認められないというケースではありますが、いずれも他の債務整理手続きでの解決を検討するのが常套手段です。
なにも自己破産だけが借金問題の解決方法ではありません。専門家に相談しながら自身にあった手続きにて解決を目指してください。
特に、自分で自己破産を申し立てようと考えている方は、上記の失敗に陥りがちなので、裁判所での手続きになる以上、やはりその道のプロである専門家に依頼するのが賢明でしょう。

別の裁判所に申し立てをする

自己破産というのは原則として、自身が居住する地域を管轄する地方裁判所に申し立てします。
つまり、居住先が変われば申し立てをする裁判所も変わるということです。
これをうまく利用し、居住地を変更してから別の裁判所に申し立てをし、もう一度審理をしてもらうという方法もあります。
自己破産という手続きは裁判所ごとに運用が若干異なっていますので、別の裁判所で申立てをすれば免責決定が出される可能性も十分に残されているのです。
なお、他の裁判所で一度自己破産を申し立てていたとしても、それが別の裁判所に情報共有されるわけではありません。何度も自己破産を申し立てていると警戒される心配はないのでご安心ください。ただし、他の裁判所で自己破産を申し立てている事実は伝えたほうが良い場合もあります。こうした点に関しては、専門家の判断に任せるのが最も良いです。
このように、自己破産という手続きは裁判所が関与してくる以上、どうしても法律知識が必要です。自身では補えない法律知識は、専門家に手助けしてもらい補っていきましょう。

 

ys

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