自己破産終結時にもらえる免責決定書とは

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自己破産の手続きが終結すると、裁判所から免責決定書と呼ばれる書面が交付されます。
免責決定書は、弁護士に手続きを依頼していた場合は、その弁護士の事務所へ送られることになっていますので、必要がある場合は事前にその旨を伝えておきましょう。

また、伝えていなかったとしても、免責決定書は手続き終結の証であるため、一般的には原本かその写しが弁護士から依頼者のもとへ送付されることになっています。

では、この免責決定書は何に使うものなのでしょう?
今回は、免責決定書についてご説明します。

免責決定書はほとんど使わない

早速ですが、免責決定書を使う機会はほとんどありません。
免責決定書は、交付自体に法的効力が発生するわけではなく、単に免責許可が決定されたことを通知する書面です。

通常、裁判などで書面のやり取りが必要な場合、法的効力は「送達」によって発生します。
送達とは、当事者のもとに書面が届くことを指しています。
裁判書面の中でも極めて重要な「判決書」は「特別送達」という特別な方法で送付がされ、受領時には印鑑を求められます。

しかし、免責決定書の場合、免責決定が出た時点で免責の法的効力は生じていますので、手元に免責決定書がなければ免責の効力が及ばないなんてことにはならないのでご安心ください。

たとえ免責決定書が手元になかったとしても、免責決定が出た時点で法的に借金の支払い義務はなくなっていることになります。よって、免責決定書自体を使う場面はほとんどありません。

ただし、生活保護を受給している場合などは、役所側から提示を求められることがあります。
原則として、生活保護費を借金の返済に使うことは認められていないため、生活保護を受けるのであれば自己破産が前提となっているのです。

自己破産手続きが終結したことを示す免責決定書を提出してほしいといわれるのは、決しておかしなことではありません。

免責決定の確定を証する書面もある

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なお、免責決定書の提示だけでは足りず、役所側から免責決定が確定したことを証する書面の提示を求められることもあります。
これを「免責確定証明書」といいます。

こちらも使う場面はほとんどないのですが、手続き終結時に裁判所から自動的に出される免責決定書とは違い、免責決定から1ヶ月後、自らの申請によって取得できる書面となっています。

実は免責決定というのは、出された直後には確定していません。
これは裁判の判決などにもいえますが、決定から確定までは期間が定められており、免責の場合はおおよそ1ヶ月となっています。
内訳としては、免責決定には「即時抗告」といって、異議を申し立てられる期間が2週間用意されています。
この即時抗告ができるのは、免責決定が官報に掲載された翌日からとなっています。
そして、免責決定が官報に掲載されるまでに、実際の決定から10~14日程度の期間を要しますので、おおよそ1か月程度というわけです。

1か月の期間経過後に取得できるのが免責確定証明書になるのですが、期間経過によって決定が確定に変わったことを示す書面になるため、単に免責決定が出たという免責決定書よりも、免責確定証明書のほうが証明力の強い書面になります。

免責決定書が手元にない場合について

上記のように、免責決定書や免責確定証明書はほとんど使わない書面ではあるのですが、提出を求められることも少なからずあります。
では、提出を求められたにも関わらず手元になかった場合は、どのように取得すればよいのでしょうか?

免責決定書の場合は、免責決定が出た裁判所に申請すれば、もう一度取得することが可能です。
ただし、この場合は「正本」ではなく、「謄本」になってしまう点に注意です。
謄本は申請理由が特になくても取得できますが、正本はしっかりとした申請理由がないと交付されることはありません。

とはいえ、どちらも効力に大きな違いはないため、必要があれば謄本を申請すれば十分です。

ただ、免責確定証明書のほうが証明力は強いため、どうせ申請するのであれば免責確定証明書を申請してしまいましょう。
こちらは申請時に印紙代が150円かかってしまいますが、裁判所に足を運べば申請用紙もありますので、取得にそれほど苦労する書面ではありません。

専門家に取得をお願いする方法も

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もちろん、もともと自己破産を依頼していた専門家に取得をお願いするのも良いでしょう。
ただし、何年も前の自己破産の場合、専門家側で手続き時の書類を破棄している可能性があります。
弁護士の場合、書類の保持期間は3年間と定められていますので、これ以上の期間が経過している場合、書類を破棄されていても文句は言えません。

特に多忙な弁護士である場合、あまり前の事件だと名前と顔が一致しないなんてことも実際にはあります。
もちろん弁護士側が意図して忘れているというわけではなく、債務整理を専門家に扱っている法律事務所などは依頼者数も膨大であるため、よほど特徴的な破産事件でない限り、記憶に残らないというのも無理はないため、気を悪くする必要はまるでありません。

なお、弁護士に取得手続きを依頼する場合、委任状などは再取得しなければならないため、記名捺印をお願いされるのがほとんどです。
多少面倒ではありますが、必要な情報を提示すれば再度の取得をお願いすることは十分に可能なので、個人で申請するのが不安な方は、やはり弁護士にお願いしてしまうのが良いでしょう。
一般的に、1~2週間程度で取得してくれます。

免責決定書を求められる場面について

では最後に、免責決定書や免責確定証明書を求められる場面についてみていきましょう。
すでに触れたように、生活保護を受けている方は、自己破産手続き終了後に市区町村役場に提出を求められることがあるかもしれません。

その他、自己破産申し立て時に破産手続きから漏れていた債権者がいた場合、忘れたころに返済を求められるケースが稀にあります。もしくは、破産申し立て後の債権譲渡によって、裁判所からの通知が債権者に届いていないといった場合もあります。

債権譲渡とは、借金を請求する権利(これを債権といいます)を、ほかの業者に譲渡することです。債権譲渡の効力を生じさせるためには、本人に対しても通知しなければならないのですが、何かの手違いで通知書を処分していたなんてこともあります。
こういった理由で提出を求められた場合は、素直に応じてしまいましょう。

自己破産後に請求が来たら専門家に相談を

上記のように、たとえ自己破産手続きが終結していたとしても、時間がたってから請求書が届いてしまうケースがあるのです。
とはいえ、その多くはすでに最後の取引から5年間という時効にかかっていることが多いのですが、たとえ時効にかかっていなかったとしても、破産手続きから漏れていた理由が悪質でなかった(わざと隠匿していたなど)場合、その債権者に対しても免責の効力も生じていますのでご安心ください。

ただし、すでに免責決定が出ていることを説明するためにも、免責決定書や免責確定証明書を求められるのがほとんどです。

すぐに用意できない場合は、自己破産の依頼をしていた専門家の電話番号を教えてしまうというのも1つの手です。ただし、可能な限り事前に専門家には断っておくように心がけましょう。

また、これらの書面を提出したにも関わらず、請求を続ける悪質な業者もありますので、そういった場合も必ず専門家に相談してください。

 

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