自己破産の申し立ては個人でも可能なのか

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自己破産を専門家に依頼すると高額の費用がかかってしまう・・・
できるなら自分で自己破産をしたい!
このようなお考えをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

結論から言えば、自己破産の申し立ては個人で行うことももちろん可能となっています。
専門家がいなければできないというわけではありません。

しかし、自己破産を申し立てるとなると豊富な専門知識が必要となってしまいますし、専門家に依頼した場合のメリットを受けられなくなることから、あまりオススメできる方法ではありません。

よく専門家への報酬が発生しないため、費用面にメリットがあると考えられる方もいますが、専門家がついていないと、自己破産の手続きの中で余計に費用がかかってしまうこともあり、個人申立が必ずしも費用がかからないというわけではないのです。
それでは以下にて、さらに詳しく見ていきましょう。

裁判所は手続きを教えてくれるわけではない

個人で自己破産の申し立てをしようと思い、裁判所へ足を運ぶと、破産係の書記官が手続きについて丁寧に説明してくれることがあります。

しかし、自己破産は書記官に言われたままできる手続きではありませんし、手続きを1から10まで教えてくれるわけではありません。
曖昧な知識のまま書記官と話をしていても、説明を理解できないことがほとんどですし、書記官からも「わからないのであれば専門家に相談されたほうが良いですよ」と、専門家への相談を促されてしまいます。

また、当然、裁判所での手続きではどうしても専門用語が行き交うことになりますし、裁判所から送られてくる書面にもいちいち注釈なんてものは入っていません。

さらに、破産手続きは破産法に基づいた手続きであるため、破産法についての知識もなければ自己破産を最後まで行うのは困難です。
よって、個人で申立をしようと思えば、知識を得る作業の段階で膨大な時間が必要になってしまう可能性は否めません。

専門家に依頼するメリットは想像以上に大きい

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個人で申立をしようと思えば、専門家に依頼するメリットを受けられなくなります。
しかし、専門家に依頼して受けられるメリットというのは想像以上に大きいものです。

たとえば、貸金業者からの催促がこなくなるという点。
個人で申立をする場合、いくら「自己破産するから待ってほしい」と伝えても、貸金業者からの催促が止むことはありません。
場合によっては、貸金業者から裁判を起こされる可能性も否定できませんし、毎日のように請求の電話が鳴り響いていては、落ち着いて自己破産申し立ての準備などできるはずがありません。

その他にも、弁護士に依頼した場合は、裁判所へ足を運ぶ回数が最小限になります。原則としては2回ですが、うまくいけば1度も足を運ばずに手続きを終えることもできます。

しかし、個人で申立をしようと思えば、提出書類の訂正などで何度も足を運ばなければならないこともあるのです。郵送での書面のやり取りも非常にめんどうです。

必要のない費用がかかってしまう可能性

そして、個人で自己破産をしようと思った場合、一番の壁となるが同時廃止事件として処理してもらえるか否かです。
実は自己破産の手続きというのは、裁判所への申し立て後、事情に応じて「同時廃止事件」か「管財(少額管財)事件」かのいずれかに分類されるのですが、管財事件として処理されてしまった場合、想像以上の負担を強いられることになるのです。

というのも、ほとんど財産がない場合は、同時廃止事件として処理され、手続きにかかる費用も2万円程度で済みます。
しかし、管財事件として処理された場合は、破産管財人への費用として最低でも20万円(裁判所ごとに運用の違いあり)を納める必要があるのです。

破産管財人というのは、裁判所から選任される破産手続き処理のプロで、主にその地域で活躍する弁護士が裁判所から依頼されます。
破産管財人も依頼されて職務をする以上、報酬が発生しなければ着手してもらえません。

実はこの報酬というのは、裁判所から出るのではなく、破産者が自ら負担しなければならないのです。
つまり、管財事件に分類されてしまうと、専門家への費用を節約するどころか、破産管財人に対しての費用を納めなければならない場合もあるということです。

破産管財人が選任される事案について

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では、専門家に依頼していると管財事件として処理される可能性が減るのでしょうか?
こちら結論から言えば、「個人で破産申し立てするよりも減るのは確実ですが、必ずしも同時廃止事件になるわけではない」といったところです。
これはどういうことなのでしょう?

まずは、どういった場合に管財事件として処理されるのかをご説明します。
管財事件として処理される大きな理由の1つが、破産手続きが必要な場合です。
破産手続きの主な目的は、破産者に一定以上の財産がある場合、その財産はすべて換価され各債権者に配当することです。このための換価と配当が破産手続きの中で行われます。

その他にも、破産者に申立書以上の財産がないかなどの調査がされることもあります。
また、免責不許可事由がある場合や、破産申立書に不明瞭な点が多い場合、破産者を観察する意味で破産管財人が選任される場合もあります。

申立書がいい加減だと破産管財人が・・・

上記で注目すべきは、破産申立書の不明瞭さについてです。
個人での申し立ての場合、手続きに慣れていないことから、いい加減な破産申立書を作成してしまうケースが大半です。

また、いい加減に作成したつもりでなくても、必要事項が明記されていなかったり、添付資料が不足していたりと、専門知識を有していない個人が行うには、ハードルが高すぎる内容となっています。

となれば、裁判所側もこのまま免責決定を出すわけにはいかないと判断し、破産管財人に調査や観察をお願いせざるをえなくなるのです。

しかし、専門家が破産申立書を作成していれば、こうした心配は不要です。
破産申し立てに不明瞭な点が多いので破産管財人がつくといった展開にはまずなりません。

破産管財人への費用よりも、専門家へ支払う費用のほうが平均的には少ないことが多いので、いっそのこと専門家に依頼してしまったほうが費用を抑える結果につながるケースはいくらでもあります。

必ず同時廃止になるわけではない

しかし、1点注意しなければならないのは、必ず同時廃止になるわけではないという点です。

時価で20万円以上の財産を保有している場合、免責不許可事由の中でも悪質な行為が顕著な場合は、たとえ専門家が手続きに寄り添っていても管財事件として処理されることになります。

とはいえ、依頼したのが弁護士であれば、たとえ管財事件に回されてしまっても、裁判所や破産管財人とのやり取りは原則、弁護士に任せることができますし、追加書面の作成や、裁判所への出頭もすべて代理でやってもらうことが可能となっています。

冒頭で触れたように、弁護士に破産手続きを依頼するとなれば、費用負担は免れませんが、それ以上のメリットがあるといっても過言ではありません。

また、弁護士に支払う費用は一括で求められるわけではありませんし、今の収入の中で無理のない範囲で分割払いできるよう配慮してもらえるため、それほど心配することはありません。

こうした理由から、自己破産の申し立ては個人で行うのではなく、弁護士や司法書士といった自己破産手続きのプロに依頼したほうが、負担は確実に軽減されるでしょう。

 

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