自己破産では裁判所に何回足を運ぶ?

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自己破産の手続きの中で、裁判所には何回足を運ぶことになるのでしょう?

自己破産では、「審尋(しんじん)」といって、破産者と裁判官との面接のようなものが開かれることになっています。
これは原則として2回開かれ、それぞれ「破産審尋」、「免責審尋」といいます。

しかし、必ずしも2回開かれるというわけではなく、申立書の明瞭さや、破産手続きへの弊害が特に見受けられないような場合、業務を迅速に行うため、審尋をせずにそのまま進めてしまうこともあります。
これを書面のみで審理することから「書面審理」といいます。

書面審理は同時廃止の場合のみ

破産手続きが書面審理のみで進むのは、「同時廃止」の場合のみとなっています。

同時廃止とは、破産手続きを開始と同時に終了(廃止)するという意味からきています。

自己破産という手続きは、破産手続きが必要か否かで2つの手続きに分けられていて、上で説明した同時廃止は破産手続きが必要ない場合に、破産手続きが必要な場合は「管財」事件として処理されることになっています。
管財事件では、裁判所の代わりに破産手続きを進行する「破産管財人」が選任され手続きを行います。

勘のいい方はお気づきでしょうが、破産手続きが必要な場合というのは、破産管財人が選任され手続きを行うため、書面だけでは審理できないような破産事件の場合です。
破産管財人がわざわざつかなくても手続きを終えられる場合は、同時廃止として処理され、その中でも審尋も必要ないほど簡易で明瞭な破産事件の場合に、書面審理とされます。

ただし、破産手続きというのは裁判所によって運用が若干異なるので、書面審理は実施せず、必ず審尋を行うという裁判所もあります。
こちらは裁判所ごとに異なっていますので、担当した専門家に確認してみるのがもっとも確実です。

足を運ぶ回数を減らすには弁護士に依頼を

冒頭で触れたように、自己破産の手続きで裁判所に足を運ぶのは原則として2回です。
この回数を減らしたい場合は、弁護士に依頼することをおすすめします。

上記で触れたように、免責不許可事由といった破産手続きの弊害さえなければ、1度も足を運ぶことなく破産手続きを終えることも可能となっています。
しかし、自己破産を個人で申し立てようと思うと、申立書に不備が出てくることがほとんどですし、こうなると裁判所も信用してくれません。

一度、足を運んで裁判官との面接を受けてほしいといわれても文句はいえません。
また、あまりにも不明瞭な申立書を提出すると、審尋の数が2回になるばかりか、破産管財人が選任されてしまい、費用も時間も無駄にかかってしまうことがあるのです。

なぜ管財事件は費用も時間もかかるのか?

破産管財人というのは、その地域で活躍している弁護士といった専門家が選任されるのですが、この破産管財人が行う業務報酬というのは、裁判所から出るわけではありません。
破産者自身が負担し、破産管財人に支払わなければならないのです。
一般的にその金額は最低でも20万円とされていますので、破産管財人が選任されてしまうと余計な費用がかかってしまいます。

すぐに20万円が用意できない場合は、毎月積み立てることによって20万円を用意しなければならない場合もあり、その間は、免責決定が出ることはありません。

また、破産管財人が選任されるということは、債権者集会といって債権者に対して破産管財人が行った調査業務などを報告する場が開かれるのが一般的です。
となれば、当然、同時廃止の破産事件と比べると時間も多くかかってしまうので、免責決定までに半年以上、長いと1年程度かかってしまうこともあります。

裁判所と弁護士にはある程度の信頼関係がある

では、なぜ弁護士に自己破産申し立てを依頼すると、審尋の回数が減ったり、破産管財人が選任されなくなったりするのでしょうか?
この理由としては、実は裁判所と弁護士にはある程度の信頼関係があるのです。弁護士が作成した破産申立書であれば、裁判所側もそこまで疑ってかかることはありません。

これは、弁護士には専門知識が備わっていることと、法律に反するようなこと(資産隠しなど)を破産者と共謀してすることはないと考えられているためです。
もし、財産隠しの共謀や、詐欺的な破産申し立てに加担すれば弁護士としての資格を奪われる危険も出てきます。

弁護士としても、破産事件にそこまでのリスクをかけることはまずありませんので、そういった意味で裁判所と弁護士にはある程度の信頼関係があるといえるのです。

もちろん弁護士が申し立て代理人になっていたとしても、書類に不備があれば訂正を求められますし、不明瞭な点があれば釈明を求められます。
しかし、その頻度は個人が作成したものとは比べ物にならないほど低くなっています。
弁護士が作成する書面と、個人が作成する書面とでは明白な違いがあるのです。
よって、書面審理に付される可能性は、個人が作成するよりもはるかに高くなっています。

審尋ではどういったことを聞かれるのか?

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いくら弁護士であっても免責不許可事由に該当している破産申立を書面審理に付すことは簡単ではありません。裁判所に足を運ばなければならないことも当然あります。

とはいえ、審尋では、基本的には申立書に記載された内容を本人と一緒に確認する程度です。

稀に意地悪な質問をしてくる裁判官もいるかもしれませんが、弁護士に依頼していれば審尋に同席してもらえるため、適切なフォローをしてもらえます。

弁護士には代理人権限があるため、本人の代わりに回答することも認められているのです。
最悪の場合、どう答えれば良いかわからず黙ってしまっていても、弁護士が代わりに回答してくれるので審尋もスムーズに進むことになります。
弁護士が付いていれば、そこまで心配する必要はありません。

司法書士の同席を認めるかは裁判所次第

では、弁護士ではなく司法書士に自己破産を依頼していた場合はどうでしょうか?

司法書士というのは、管轄が地方裁判所の事件については、依頼者の代理人になることができません。
自己破産申し立ての管轄は地方裁判所になるため、司法書士が依頼者のサポートをできるのは書面作成のみということになります。
もちろん裁判所とのやりとりも基本的には自ら行わなければなりませんので、審尋が開かれた場合も当然、自らが発言しなければ進みません。

しかし、裁判所によっては、司法書士の審尋への同席を認める場合もあります。
本人の代わり裁判官の質問に回答するといったことは難しいですが、隣に専門家がいてくれるというだけでも安心感がまったく異なります。

依頼するなら弁護士?司法書士?

自己破産の場合、司法書士と弁護士とでは行える業務に大きな差がありますが、比較的に司法書士に依頼したほうが費用も安く済むケースがほとんどです。

ただ、審尋に足を運ばなくても済む、裁判所や破産管財人とのやり取りはすべて任せることができるのは、弁護士に依頼した場合のみとなっています。

どちらの専門家に依頼するべきか、それぞれの事情に合わせて検討してみましょう。

もちろん、相談だけであれば無料で行っている専門家がほとんどなので、無料相談を利用しながら、自身にあった専門家を探すというのも大切なことです。
依頼者と専門家には少なからず相性もありますので、この専門家になら任せられると感じた方に依頼をするのが手続き成功のカギです。

 

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