自己破産の手続き中に過払い金が見つかったら?

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専門家に自己破産の依頼をすると、手続きをしている過程で過払い金が見つかることがあります。

この理由は、専門家は自己破産の依頼を受けると、まず各債権者に対して取引履歴の開示請求をします。
そして、開示された取引履歴を引き直し計算し(過去の利率を現在の利率に計算し直すこと)、正確な債務額を算定します。

この引き直し計算をすると、借金の返済は完了しているばかりか、実は過払い金が発生していたなんてことがあるのです。過去と現在とでは、上限利率が異なっているため、利息を払いすぎの状態、つまり、過払い金が発生するということです。
では、自己破産の手続き中に過払い金が見つかった場合、どのように処理されるのでしょうか?

過払い金が自由に使えるかは残った借金次第

自己破産をするというのに、過払い金が判明したとなると、もっとも心配になるのが「過払い金は自由に使うことができるのか?」という点です。
これは、使えるとも言えるし、使えないとも言えます。

というのも、過払い金の額によっては自己破産手続きを取らなくて良くなる場合があるのです。
過払い金によって借金の返済さえできてしまえば、自己破産などする必要がありません。

しかし、過払い金があってもなお、自己破産するしかないほど借金が残っている場合、その使い道については慎重にならなければ、後々トラブルへと発展してしまう危険性があるのです。
専門家が介入している場合は、過払い金を管理してもらえるので心配ありませんが、自身で取り戻したといった場合は、以下の理由から過払い金の使途について必ず気を配ってください。

過払い金の使途を説明しなければならない

上記のように、自己破産を取らなくて良くなるのであれば、方針を任意整理に変更することによって過払い金は自由に使うことが可能となります。
しかし、自己破産から方針変更されない場合、過払い金の存在は必ず裁判所に報告しなければなりません。

過払い金を隠す行為は、財産の隠匿といって、免責不許可事由に該当する行為になります。
自己破産手続きにおいて免責とは、借金の支払い義務がなくなることを指していますが、免責不許可事由とは、言葉の通り免責を不許可にされてしまう事由のことです。
財産隠匿の他に、過剰なギャンブルやショッピングといった浪費行為もこちらに該当しています。

そして、過払い金の存在だけでなく、何に使ったのか?についても、裁判所に説明しなければならないのです。
つまり、過払い金をすべて自身の自由に使ってしまうと、裁判所から返済出来るにもかかわらず返済しなかったと指摘されてしまう危険が増してしまうのです。
こういった指摘をされても悪影響しか与えないため、ないに越したことはありません。

過払い金は申立費用や専門家への費用に

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よって、見つかった過払い金は自己破産の申立費用や、専門家への費用に充てるのがもっとも良いです。

裁判所への申立費用は必ず自身で負担しなければなりませんし、専門家に依頼したのであれば、その報酬だって支払わなければなりません。
しかし、過払い金があるのであれば、そこから上記の費用を捻出することによって負担額を最小限に抑えることができます。
裁判所も申立費用や専門家への費用に充てたとなれば、特に問題視することはありません。

自己破産手続き中に過払い金が見つかった場合は、このように対応するのがもっとも良いです。

また、実際には専門家への費用は分割払いにしてもらい、手元に残った過払い金を数ヶ月分の生活費に充てるといった運用をしてもらえる場合もあります。
ここはあくまでも専門家の判断となりますが、過払い金という存在のおかげで様々なことに利用できるのは間違いありません。

別の手続きに方針転換できる可能性

では、過払い金によって自己破産を回避できそうではあるが、それでも借金が残ってしまう場合はどうするのが良いのでしょうか?
この場合、別の債務整理手続きに方針転換するのが一般的な取り扱いです。

自己破産さえ回避できれば、過払い金の使途はある程度自由にできるので、過払い金の一部を返済に充てて自己破産を回避、残りは自身の自由に使い、残った借金のみを債務整理の対象にするというのも可能です。

たとえば、専門家への相談前に借金が300万円あったはずが、引き直し計算によって200万円の過払い金が見つかったとします。
その過払い金のうち100万円を返済に充て、自身の手元に100万円、そして残った借金である200万円を任意整理によって月々4万円ずつを50回に分けて返済、というのも可能というわけです。

もちろん、上記の内訳は単なる例でしかないため、実際は専門家と相談しながら自由に決めることが可能となっています。

任意整理は裁判所が介入するわけではありませんし、過払い金の存在を債権者に説明する必要もありません。
手に入れた過払い金をどのように運用するかは、すべて個人の自由となっています。
ここが自己破産との大きな違いです。

個人再生でも過払い金は自由なの?

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上記では任意整理の場合を紹介しましたが、果たして個人再生でも過払い金は自由になるのでしょうか?

個人再生は、自己破産と同様、裁判所での手続きになるため不安に感じている方も多いはずです。
しかし、ご安心ください。
個人再生という手続きは、自己破産のように財産を処分されることはありません。
もちろん裁判所に過払い金をはじめとする自身の保有する財産を報告しないわけにはいきませんが、保有財産は単に個人の資産額として総合されるだけです。

ただし、この資産額があまりに多い場合は、個人再生の返済額に大きな影響を及ぼし、返済額が増えてしまうケースが多々あります。
とはいえ、自己破産のように財産を処分されるわけではないので、すべての過払い金を自由に使えるというメリットは任意整理と同様です。

しかしながら、個人再生は様々な計算が必要で煩雑な手続きになりますので、必ず専門家に介入してもらい、どの程度の返済額になるのか?といった見込みを事前に算出してもらいましょう。

その上で、個人再生・任意整理、どちらの手続きが自身に合っているのかを判断してください。

過払い金で債務整理の選択肢が増える

上記のとおり、過払い金の存在が債務整理手続きの選択肢を増やしてくれるので、多重債務に悩まされている方は、まず専門家に相談してみるというのはとても良い選択肢と言えるでしょう。

ただ、多重債務に悩まされているだけではなにも解決しません。

しかし、たった1度の相談で過払い金が見つかり、あっという間に多重債務問題が解決してしまったというケースは、過去にも数え切れないほど存在しています。
それほど過払い金の存在は債務整理にとって大きなものです。

とはいえ、法律の専門家への相談は、一般の方にとってハードルが高いと感じてしまうのは確かです。
当然、費用も心配になってしまうことでしょう。

しかし、現在は無料法律相談を実施している専門家も増えてきましたし、相談する窓口は専門家の事務所だけでなく、市区町村役場や地域の弁護士会などでも多く取り扱われています。

また、過払い金が見つかったということは、専門家への費用は過払い金の中から捻出できる場合が多々あります。
つまり、持ち出し0円ですべての多重債務問題が解決することもあるのです。
いずれにしても、まずは勇気を出して専門家に相談してみなければ始まりません。
多重債務は必ず解決できる問題なので、ぜひ気軽に専門家に相談してみましょう。

 

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