自己破産と税金は無関係

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たとえ自己破産の手続きを取ったとしても、滞納していた税金が免除になることはありません。
税金の納付義務というのは、非免責債権といって免責の対象外となっているのです。

しかし、どうしても税金の支払いができないままでいると、いずれは役所側から差押えの対象とされてしまうこともあります。

さらに、役所からの差押えというのは、職権にて行うことが可能とされていますので、通常の差押えとは違って、いちいち裁判所に手続きをする必要がなく、即座に行うことができるため、放っておけばいつの間にか預金残高が0円に・・・なんてことも想定されます。

通常は債務名義を取得しないと差し押さえできない

一方で、貸金業者などが差し押さえをする場合、債務名義を取得していないと差し押さえをすることはできません。

ある日突然、銀行残高が0円になっていた、給与の差し押さえ通知が届いた、なんてことは決してありません。

そもそも債務名義とは、裁判を提起するなどして、裁判所から請求が認められたことを示す判決書などのことを指しています。これがないと強制執行という手続きを行うことができないため、給与や銀行口座の差し押さえをすることができないのです。

つまり、通常は債務名義を取得するために裁判所の手続きを経由する必要があり、その通知は自身の下に届くことになるため、なんの前触れもなしに差し押さえがされてしまうようなことはあり得ないということ。
しかし、税金の場合は、債務名義を取得することなく差し押さえが可能となっています。

優先して支払うべきは税金

上記のように、貸金業者からの借入の場合、裁判手続きというワンクッションを置いてからでないと即座に差し押さえをすることはできません。
しかし、税金の支払いに関しては裁判手続きを経由することなく、各自治体の職権にて差し押さえが可能となっているため、現実にはいきなり差し押さえをされる方が何人もいらっしゃいます。

さらに、冒頭でも触れたように税金関係の支払いは自己破産手続きでは免責不許可事由として取り扱われるため、支払いが免除になることはありません。
となれば、当然、貸金業者への支払いよりも、税金関係の支払いを優先するに越したことはないということ。
自己破産では税金が免除にならないというのは、誤解も多い部分となっていますので必ず覚えておきましょう。

自己破産する前提であれば、貸金業者への支払いはすべてストップし、税金の支払いで滞納がないように心がけることが、自己破産後の生活に有利に働くことは間違いありません。

催促が多いのは貸金業者だが・・・

とはいえ、通常、市区町村役場と比べると、貸金業者からの催促のほうがしつこいものです。

しかし、上記のように自己破産をしても免責にならないのは貸金業者からの借入ではなく、税金となっています。

たとえ貸金業者からしつこい催促を受けたとしても、どちらを優先して支払うべきか明白です。

さらに言えば、貸金業者からの催促というのは、専門家に自己破産を依頼した時点でストップすることになっています。
というのも、貸金業者というのは専門家が債務整理手続きを受任した場合、債務者本人と直接交渉することができなくなり、必ず専門家を窓口にするようにと金融庁が出しているガイドラインにて定められているのです。

専門家に依頼さえすれば請求はストップしますので、あまりにしつこく請求されていて税金の支払いが心苦しい場合は、早急に専門家に依頼し、自己破産手続きに着手してもらいましょう。

なお、専門家に自己破産を依頼した場合、その時点で返済はすべてストップするのが原則なので、借金返済に悩まされることもなくなります。今まで返済に充てていた分は、すべて自身の生活費に充てることもできてしまうのです。

確実に生活が楽になりますので、本当に返済に困っている方は、まずは専門家に相談することが解決への第一歩と言えるでしょう。

役所には必ず事情を伝えましょう

上記のように、貸金業者からの請求という観点から見れば、自己破産手続きは非常に重要といえますが、免責の対象外となっている税金の支払いに関してはまったくの無関係となっていますので、専門家に依頼をし、自己破産手続きに入ったからといって、安心できるものではありません。

では、どうすればよいのか?

こういった場合は、役所側には自己破産を検討していること、そして、いずれ滞納分も支払う意思があることを伝えてください。
通常、支払う意思がある者に対して、役所が強制的な差押えをすることは滅多にありませんので、自らの意思を伝えているのと伝えていないのとでは大きな違いがあります。

また、自己破産を専門家に依頼しているのであれば、役所との交渉に関しても専門家に間に入ってもらうという方法もあります。専門家が介入することによって、無理のない範囲での分納や、いったんの納付猶予を認めてもらえる可能性が高くなります。

滞納分は少しずつ支払っていくことに

いずれにせよ、滞納していた税金は支払っていかなければなりません。
そこで、自己破産の手続きが落ち着き、生活に余裕が持てるようになったら、滞納していた税金を支払っていくようにしましょう。役所によっては、1ヶ月数千円での分納を認めてくれ、金額を徐々に増やしていくといった柔軟な対応をしてもらえることもありますので、必ず相談をするようにしましょう。

また、生活の状況次第では、生活保護費の受給が認められることもありますので、役所への報告を放っておくようなことはせず、随時、相談をしにいくようにしましょう。

実際に差し押さえをされているのは、役所への相談をせずに放っておいているケースがほとんどとなっています。役所に対しては、生活状況を自ら告げることで守られるものもあるのです。

もちろん収入証明といった書面の提出が求められることもあるかもしれませんが、生活困窮が事実であれば、正直に現状を伝えることが何よりも大切だと覚えておきましょう。

生活保護が認められれば差し押さえは怖くない

なお、生活保護費の受給が認められた場合、貸金業者からの差し押さえは怖くなくなります。というのも、生活保護費というのは、生活資金に困窮した者が最低水準の生活を送れるようにと税金の中から支給されている金銭であるため、差し押さえ自体が禁止されているのです。

生活保護費まで差し押さえされてしまえば、それこそまともな生活など送ることはできません。こうならないために、生活保護費は差し押さえ禁止財産とされているのです。

また、自己破産の申立を裁判所にした場合も、差し押さえされる心配がなくなります。
すでにされている差し押さえも中断されることになるため、貸金業者からの差し押さえへの対抗策としては、生活保護費を受給するか、自己破産の申立をすることだと覚えておくと良いです。

困ったことは専門家に相談しよう

とはいえ、自己破産や税金の交渉、生活保護費の申請と言われても、何から手を付けたら良いかわからない方がほとんどなのではないでしょうか?
こういった場合は、専門家に相談することが現状打開への何よりの近道なのだと知っておきましょう。専門家は、こうした経済的な困窮や法的手続きに困っている方のサポートも、業務として当然のように行っています。

慣れない手続きで右も左もわからないのは仕方がないことです。それが専門家への相談で切り開いていくのであれば、相談せずにいるという選択肢はないのではないでしょうか。

 

ys

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