誰にも知られずに自己破産をすることはできますか?

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質問これ以上、借金の返済を続けることができそうにないため、現在、真剣に自己破産をしようと考えています。しかし、借金問題に関しては、もう十年以上もの間、妻には内緒でしてきました。

今さら自己破産への協力はおろか、相談すらもできる気がしません。
自己破産をするなんて自業自得であるにも関わらず、こんな都合の良い方法を願うのは罰当たりかもしれませんが、誰にも知られずに自己破産をする方法はないのでしょうか?

回答自己破産という手続きは、原則として本人が行う本人のための手続きです。よって、他人がそれを知る方法はそれほど多くはありません。しかし、自己破産は裁判所を介する手続きである以上、生活を共にしている家族に知られてしまう危険性は少なからずあると言えます。
というのも、自ら自己破産の申し立てをする場合、裁判所との連絡は本人が行わなければならないのです。
電話だけでなく書面での通知も送られてくるため、隠し通すのは困難と言えます。

この問題を解消したいのであれば、専門家へ依頼をする以外に方法はありません。

裁判所からの連絡で知られる場合

自己破産の手続きにおいて、家族に知られる恐れがあるのはおおまかに2つです。

1つは上記にて回答したように裁判所からの連絡です。電話だけであれば携帯電話にしてもらうことも可能と言えますが、郵送による書面のやり取りにはかなりの危険が伴います。

自己破産の申し立てをするには、最初に裁判所に「破産申立書」という書面を提出しなければなりません。この書面が提出されると、裁判所は内容を加味し、破産手続きが必要かを判断します。

ここで破産手続きが必要と判断されると、裁判所から「破産手続開始決定」という書面が自らのもとに送られてくるのです。
この送付先は、原則、申立人の住所となっていますので、これを家族に見られてしまえば、自己破産の事実を知られてしまうことになります。

官報に掲載されて知られる場合

もう1つが官報への掲載です。官報とは、国が刊行する新聞のようなものです。

自己破産の手続きをすると、原則、2回ほど官報に掲載されることになっています。

最初は、上記で触れた破産手続開始決定が出た際です。2回目が、「免責許可決定」が出た際で、この決定が出ると裁判所での自己破産の手続きは終結することになります。

この2つの決定が出た際は、決定を出した裁判所とその内容、対象者の住所氏名と、十分に個人を特定できる掲載となっています。とはいえ、官報を普段から購読している一般の方はほとんどいないため、官報が原因となって家族に自己破産が見つかることはまずないと言えるでしょう。

官報を購読するには、毎月一定額を支払う必要がありますし、誰でも見られるようにインターネット上でも情報開示がなされていますが、何年も前のものを遡れるわけでもありません。

官報は、ほとんど一般の方の目に触れる機会はないのでそれほど心配する必要はありません。

知られたくない場合は弁護士に依頼を

上記のことから、もっとも危険なのは裁判所から連絡と言えるでしょう。
そこで、どうしても家族に知られたくないのであれば、専門家の中でも弁護士へ自己破産を依頼しましょう。

自己破産の手続きを取り扱っている専門家は、司法書士と弁護士がいますが、司法書士では手続きの代理業務を行うことができません。
どういうことかというと、司法書士では書面作成などの申し立てのサポートが業務範囲です。

一方で、弁護士であれば書面作成だけでなく、本人の代わり(代理)で申し立てを行うことができるため、
裁判所とのやり取りはすべて弁護士に任せることができてしまいます。

唯一、「審尋(しんじん)」といって裁判所に直接足を運ばなければならない手続きがありますが、この日程調整などもすべて弁護士経由で行われるため、裁判所から自身のもとに連絡が来たり書面が届いたりするようなことは一切ありません。

弁護士には事前に家族に知られたくないと伝える

ただし、弁護士とのやり取りを家族に知られてしまっては元も子もありません。

そこで、弁護士には前もって家族に知られたくない旨を伝えておいてください。
そうすれば、電話連絡はすべて申立人本人の携帯電話へ、書面のやり取りは直接弁護士の事務所へ足を運ぶことで受け渡しをしていれば、家族に知られる可能性を限りなく低くすることができます。

また、たとえ弁護士からもらった名刺や封筒などがきっかけで、家族から勝手に弁護士事務所に電話されるようなことがあっても、弁護士には依頼者との守秘義務があるため、家族に情報を漏らすようなことはまずありません。
家族に知られたくないと事前に伝えておけば、事務所全体でその情報を共有してもらえますので、弁護士以外が電話対応していてもまず心配はいりません。

家族に知られたくない依頼者はたくさんいる

また、自己破産をはじめとする債務整理手続きは、お金が絡んでくるデリケートな問題であるため、家族や周りに知られたくない希望を持っている依頼者はたくさんいらっしゃいます。

弁護士事務所でも、そういった対応をする機会は多く、債務整理の解決を掲げている事務所であれば、まず手馴れた対応が期待できます。
ただし、そういった対応に慣れていない事務所があるのも事実なので、弁護士へ相談する際は、過去に家族に知られたくないといった希望を持った依頼者がいたのかどうか、さりげなく尋ねてみるのも良いでしょう。

このように、家族と自己破産の関係を完全にシャットアウトすることはできないまでも、知られる機会を極力少なくすることは可能です。
あとは、自身が口を滑らさないことも重要です。

家族の協力はあるに越したことはない

とはいえ、現実問題として、自己破産という手続きは家族の協力はあるに越したことはありません。

自己破産すれば数年間は新たな借り入れをすることはできず、住宅や自動車のローンを組むこともできなくなってしまいます。
すべて現金の一括払いで対応できるため、不便さで言えばそれほど大きいものではありませんが、借り入れができない事実をその時になって知られてしまう可能性は十分にあります。

自己破産時に隠し通すができても、その後、数年間は新たな借り入れができない(自己破産の場合は一般的に5~7年程度借り入れができない)ことを考えると、お金のトラブルがあったのだと怪しまれる可能性は十分にあります。

こうした点を考えれば、自己破産時、家族に事実を告げ、自己破産後は協力してもらいながら生活を送れるのが理想的と言えます。

よって、事実を告げる際は、家族に自己破産への理解を深めてもらうため、専門家への相談に同席してもらうなどしながら、自己破産へのマイナスイメージを払拭してもらいましょう。自己破産という言葉はどうしてもマイナスイメージが伴ってしまうのです。

価値観は人それぞれケースバイケースで対応

しかしながら、「お金のトラブルはもってのほか、知られるようなことがあれば間違いなく離婚されてしまう・・・」と考える方もいらっしゃいます。
いくら専門家からの説明があっても価値観は人それぞれなので、考え方が覆るとは限りません。

よって、家族の協力があるのは理想ですが、絶対に知られるわけにはいかないと考える方もいます。
価値観は人それぞれなので、自身の事情や家族の考え方や様子を見ながら、ケースバイケースで対応するようにしましょう。

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