私にも自由財産は認められますか?

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質問:私はギャンブル中毒になってしまい、多数の貸金業者から借り入れをし続け、とても返済が間に合わなくなってしまいました。
そこで自己破産をしようと考え、いろいろ調べていたところ、たとえギャンブルといった免責不許可事由があっても、裁量免責によって自己破産は認められることを知りました。
そして、自己破産では、自由財産の保有も認められているそうなのですが、これはギャンブルが理由で借金を重ねてしまった私にも認められるものなのでしょうか?
後ろめたい理由なだけに、こういった恩恵は受けられないのではないかと不安に思っています。
また、自由財産とはどういったものを言うのでしょう?

回答:自由財産とは、20万円以下の価値しかないため、債権者への換価・配当の対象にならず、自身の自由に処理できる財産のことを言います。
その他にも自由財産として、99万円以下の現金、差し押さえ禁止財産といって衣類や電化製品といった生活必需品も認められています。

ご心配されている自由財産が認められるか否かについてですが、自由財産の保有と借金を積み重ねた理由とは関係がないため、たとえギャンブルが理由で借金を重ねてしまった場合であっても、自由財産の保有は認められているのでご安心ください。ただし、最終的に判断をするのは、裁判官となっているため、手続きには誠実な態度で臨むようにしてください。

自由財産は更生に必要な財産

自己破産という手続きの本来の趣旨は、借金を免責させることだけにありません。

むしろ、借金の免責よりも、免責後の生活を立て直してもらうために作られた制度と言えるでしょう。
しかし、自己破産をしたことによって、無一文になってしまったのでは手続きの本来の趣旨を果たしているとは言えなくなってしまいます。

そこで、自己破産では生活を更生させるために必要な財産として、自由財産の保有を認めているというわけです。
よって、自由財産は自己破産の申立人であれば誰もが受けられる恩恵であると覚えておくようにしましょう。よく離婚時に不倫などによって離婚の原因を作った側であっても、子どもが親権を得られるのと同様です。

自由財産を返済に充てる必要はない

とはいえ、債権者の立場からすれば、自由財産など認めず、返済できるのであれば少しでも返済に回してもらいたいもの。
自己破産を申し立てる身からすれば、自由財産を認めたくないばかりに、自己破産の手続きに反対意見を出すこともあるのでは?と心配してしまいます。
しかし、自由財産は本人の自由に処理することができる財産であると裁判所側も認めているため、自由財産の保有を認めないという理由で自己破産の手続きに反対意見を出したとしても、その訴えは、ほぼ間違いなく却下されることになります。よって、まともな貸金業者であれば、反対意見を出すことの無駄さをわかっていますので、自由財産の保有に文句をつけてくることはありません。
ただし、個人からの借金であると、反対意見を出されることも多く、場合によっては、裁判所に足を運ぶ回数が増えることもあるのだと覚えておくと良いでしょう。

自由財産を拡張させる手続きもある

また、自己破産では自由財産を拡張させることも可能となっています。
たとえば、自己破産をする場合、解約返戻金が20万円を超える生命保険などがある場合、契約は解除しなければならず、返ってきた返戻金は各債権者へと配当されます。しかし、自由財産の範囲を拡張させることによって、解約せずに済むケースも存在します。
高齢者の方や家族を養う方にとって、生命保険の有無は将来に関わる問題になるため非常に重要です。

また、現金の場合で言えば、99万円を超える現金の所持が認められるケースもあるということ。
その他、どうしても車を維持しなければならない(身体の不自由な父を定期的に病院に連れていかなければならないなど)など、理由に応じて自由財産の拡張を利用する機会があります。
もし、時価で20万円以上の財産を保有していて、それを自己破産後も維持したい場合は、自由財産の拡張を訴えるしか方法はありません。

認められない場合もあるので要注意

ただし、自由財産の拡張は必ず認められるわけではなく、破産管財人の意見のもと、裁判官が最終的な判断をすることになっています。

破産管財人とは、破産手続きを進行する専門家(多くはその裁判所を管轄する地域の弁護士が担当)のことです。自由財産を拡張させるほどの財産がある場合、自己破産の手続きはまず間違いなく「管財事件(少額管財事件)」に分類されます。

財産がほとんどない場合、自己破産の手続きは同時廃止事件といって、煩雑な破産手続きを経由することなく、免責許可申し立てへと進んでいくのですが、管財事件となると免責決定が出るまでに時間がかかってしまいます。
また、破産管財人や裁判所とのやり取りの機会がどうしても多くなってしまうため、個人による申し立てで最後まで手続きを乗り切るのは簡単ではありません。

そこで、自由財産の拡張などを申し出たい場合は、終始、安心して手続きを進めていけることからも、必ず弁護士に自己破産を依頼しましょう。

弁護士であれば手続きの多くを任せられる

自己破産を業務として取り扱っている専門家には、司法書士と弁護士がいますが、司法書士では裁判所とのやり取りまでをこなすことはできません。
というのも、司法書士が本人の代わりに手続きを行える(代理といいます)のは、簡易裁判所の案件までとなっています。自己破産の手続きは地方裁判所で行われるため、司法書士では裁判所とのやり取りまではこなせないのです。

となれば、当然、破産管財人とのやり取りも認められていないので、自由財産の拡張もすべて自分で行わなければなりません。
慣れない手続きを1人でこなすのは簡単なことではありません。

一方、弁護士であれば、裁判所とのすべてのやり取りを任せることができますし、もちろん破産管財人とのやり取りも、すべて弁護士経由で行われるのが原則です。
また、自由財産の拡張についても、個人が訴え出るよりも、法的根拠に基づいた主張ができる弁護士が行ったほうが認められる可能性も格段に高くなります。破産管財人や裁判官を説得するためには、高度な専門知識がどうしても求められてしまうのです。

制度をうまく活用して自己破産後の生活に繋げよう

上記のように、自己破産したからといって保有する財産がなにもかも回収されてしまうわけではありません。
自由財産が認められている以上、自己破産後にまったくの無一文になり、生活ができなくなる恐れはまずありません。

自己破産という言葉がネガティブな印象を与えてしまい、よく勘違いされやすいのですが、自己破産は生活を立て直すためにある手続きです。
今以上に生活環境が悪化することはまずありえないため、制度の趣旨を理解し、自己破産へと臨みましょう。

また、自由財産の拡張という制度もありますので、よりよい自己破産後の生活に繋げることも可能となっています。
特に家族がある方にとっては、自由財産の拡張は非常に意味のある手続きと言えます。
家族を養う立場にあるということは、それだけお金に関する負担も多くかかります。
自己破産では、こうした負担を考慮した上で、自由財産やその拡張手続きを認めるか否かを判断していますので、自身の状況をうまく伝え、少しでも多くの財産を手元に残せるように努力しましょう。

 

ys

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