自己破産時に財産を隠したいのですが・・・

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質問:現在、自己破産を検討中です。

しかし、自己破産をすると多くの財産を失ってしまうと聞きました。それだけは避けたいです。
そこで、財産を隠して自己破産をしようと考えているのですが、現実にそういったことは可能なのでしょうか?
調べたところ、裁判所の調査もたいしたことがなさそうなので、その気になれば財産を隠すこともできるのでは?と考えています。

回答:自己破産において裁判所がどこまで調査をするかというのは、申立書の明瞭さ次第といっても過言ではありません。
よって、弁護士が作成した申立書であれば、不明瞭な申立書になることはほとんどなく、おおがかりな調査がされることはないと言えます。
しかし、財産を隠すというのは、財産隠匿といって免責不許可事由、詐欺破産罪にも該当する行為です。
こういった行為に弁護士が手を貸すことはありません。

また、自ら申立書を作成したとしても、裁判所からは破産管財人が選任される可能性が強いと言えます。
破産管財人とは、申立書だけではわからない財産の動きなどを調査するために選任され、郵便物のチェックなどをする権限も与えられるため、簡単に財産を隠し通すことはできません。

弁護士からの協力は得られない

財産の隠匿について、弁護士からの協力が得られることはないと考えておきましょう。
もし、そういった行為の片棒を担いだ弁護士がいた場合、弁護士としての資格が剥奪されてしまうこともあるのです。
それに、財産を隠匿した事実が裁判所に知られてしまったとなれば、間違いなく免責不許可となってしまいます。
そうなってしまっては依頼者のためにはなりませんので、弁護士は依頼者の将来のことも考え、財産隠匿というリスキーな行為への協力はしないと言えます。

稀に、報告し忘れていた、これが財産になるとは思っていなかったなどの理由で、後から一部の財産の存在が明らかになることはありますが、その場合は、意図して隠匿したわけではないため、免責不許可まではならないケースがほとんどです。
その場合は、裁判官の判断で免責を許可する「裁量免責」という制度にて、免責許可になる可能性が強いです。

自身で作成した申立書は精査されることに

基本的に裁判所は、弁護士が作成した申立書の内容までを疑うことはほとんどありません。
もちろん、不明瞭な点があれば確認作業を怠ることはありませんが、弁護士が介入しているというだけで、そこにはある程度の信頼があるのです。

裁判所としても、上記のような理由から弁護士が意図して財産の隠匿をするとは考えていません。それほど弁護士資格は価値のあるものです。
しかし、本人が作成した申立書の場合、専門知識がないことから記載の不備や不足書類が多く、また、信頼関係も成立していないことから精査を避けることはできません。
申立人が個人で作成した申立書の中身を、すべて信用してくれるほどお人好しな裁判所ではないということ。
そこで裁判所は、申立書に記載された内容の精査のため、より細かい財産調査を行うことになります。
これを担当するのが、冒頭で説明した「破産管財人」というわけです。ここで財産隠匿が判明すれば、免責決定は難しくなってしまいます。

財産隠匿はリスクが高い行為

上記のことから、財産隠匿をするというのは容易なことではありません。
手続きの過程で意図的な財産隠匿が判明したとなれば、悪質と判断され、免責が不許可になってしまう危険が非常に高いのですそうなれば、自己破産ができないとわかった貸金業者からの督促はエスカレートし、裁判手続き、強制執行といった強引な回収に踏み出すおそれもあります。

まったく財産がない方の場合、たとえ免責不許可になってしまっても、回収する財産がないことから貸金業者側の督促もエスカレートのしようがありません。しかし、隠匿するほどの財産があるとなれば、上記のような強引な回収に踏み出す可能性は十分にあります。

場合によっては、職場に裁判所からの差し押さえ通知が届いたりと、自身の周囲に知られてしまう危険まであります。
こういったことからも、財産の隠匿をしようなどとは考えない方が無難と言えるでしょう。

どうしても守りたい財産がある場合

では、どうしても守りたい財産がある場合は、どうすれば良いのでしょうか?
この場合、自己破産以外の債務整理手続きで解決する必要があります。

自己破産では、時価で20万円以上の財産は回収され、現金化された後に債権者に配当されるのが原則です。
中古車や、少し高価な家財道具程度であれば、時価で20万円以下になると裁判所に対して説明するのはそれほど困難ではありませんが、自宅や高額な返戻金のある生命保険などは、20万円以下になるはずがありません。
そこで、こういった場合は、同じ裁判所での手続きの中でも「個人再生」が適正と言えます。

個人再生であれば、保有財産を処分されることなく、借金の返済負担を大幅に軽減させることができるのです。

個人再生で返済負担を大幅軽減

個人再生の特徴は、借金の一部(約5分の1、最低100万円)の支払いを3年間ですれば、残りが免除されるところにあります。
さらに、保有財産を回収される恐れもありません。
ただし、支払い継続が前提になる手続きなので、ある程度の収入がなければ利用できない点に注意です。個人再生の利用条件の中にも、「継続的な収入があること」が含まれています。

まったく収入のない方が個人再生を利用するのは難しいですが、継続的な収入であれば、職業がアルバイトであっても問題はありません。一時的に無職になり、自己破産を検討している方であっても、アルバイトさえ継続できれば個人再生を利用し、財産を守ることもできるのです。

自身の状況に合わせて、どちらの手続きを利用すべきかを判断しましょう。

最終的な判断は専門家にゆだねる

上記のように、自己破産の場合、すべての借金の返済義務がなくなりますが、財産を残すことができず、個人再生の場合、借金の一部は支払い続けなければなりませんが、財産を残すことができます。
どちらの手続きも一長一短ではありますが、それぞれの状況によってどちらを利用したいかは判断が分かれるはずです。
しかし、現実にどちらの手続きを利用できるかは、素人目には判断できません。そこで、最終的な判断は専門家にゆだねるようにしましょう。

専門家であれば、一か月の収支状況や現在の借金総額、保有財産の価値など、様々な観点から、どの手続きを利用するのが、将来的に依頼者のためになるのかを判断してくれます。

専門家への相談は無料相談を利用する

自己破産や個人再生といった手続きを専門家に依頼するのであれば、当然、費用が発生することになりますが、どちらの手続きが向いているか相談する程度であれば、費用をかける必要はありません。
現在、多くの法律事務所では無料法律相談を実施しているため、これを利用しない手はありません。
自身にはどの手続きが向いているのか、そのためにどういった準備をしておけば良いのか等、手続きに関する疑問にはすべて答えてもらえます。

相談の際、その専門家を信用できると感じたのであれば、依頼するのも良いですし、そうでなければ保留し、別の専門家を探すことも自由です。専門家も相談=依頼とは考えていないため、相談に乗ったからといって、そのまま依頼を強要されることもありません。

多くの専門家の意見を参考にし、自身に合った債務整理手続きで借金問題を解決していきましょう。

 

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